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パパ夫とママ子の 知っておきたい介護の基本 介護の基本A要介護度という名の分かれ道

「急に介護サービスが必要になった!」「まだ大丈夫だけど今のうちにくわしくなっておきたい」そんな皆さまのために、知っておきたい介護の基本を詳しくご紹介します。
介護初心者の夫婦パパ夫・ママ子と一緒に勉強していきましょう。

パパ夫

認定の結果によっては、介護サービスが使えない事もあるなんておかしくないか?介護が必要だから認定受ける訳だし。

ママ子

そうよ! それに、要支援とか要介護とか、1〜2とか、1〜5とか、全然、訳わかんない!

ケア子さん

まあまあ二人とも落ち着いて。
判断の基準については、下の表を見て頂戴。
要介護度別の支給限度額は右の※6をチェックよ!

要介護認定の判断の目安

区分目安
非該当(自立)日常生活上の基本的動作を自分で行うことが可能であり、かつ、薬の内服、電話の利用などの手段的日常生活動作を行う能力もある状態。
要支援1生活機能の一部がやや低下しており、介護予防サービスを利用することにより改善が見込まれる。
要支援2生活機能の一部に低下が認められ、介護予防サービスを利用することにより改善が見込まれる。
要介護1立ち上がりや歩行が不安定。排泄、入浴などに一部介助が必要。
要介護2立ち上がりや歩行などが不安定。排泄、入浴などで一部または全体の介助が必要。
要介護3立ち上がりや歩行などが自力では困難。排泄、入浴、衣服の着脱などで全体の介助が必要。
要介護4立ち上がりや歩行などがほとんどできない。排泄、入浴、衣服の着脱など日常生活に全面的介助が必要。
要介護5意思の疎通が困難。食事を含む生活全般について全面的介助が必要。
パパ夫

「非該当(自立)」に当てはまっちゃうと、介護保険を使ったサービスが利用できないってことか。

ママ子

要介護度によって、使えるお金の額も全然違うのね〜。
こんな制度があったなんて。

ケア子さん

そう、要介護認定っていうのは、介護が必要な人たちにとって運命の分かれ道なの。
ただ、認定結果に納得のいかない場合は、再調査を申し込むこともできるのよ(※7)。

POINT!

要介護認定の結果が「非該当」となってしまった場合は、介護保険を使ったサービスを利用することができません。また、介護サービスが必要と判断された場合でも、「要支援1〜2」や「要介護1〜5」といった要介護度の違いによって利用できるサービスの種類や条件が異なってきます。

ケア子さん

では次に、要介護認定が出た後の流れを見ていきましょう。
下の図を見てみて。

要介護認定 ・非該当 ※要支援・要介護になるおそれのある方 → 地域包括支援センター → 介護予防ケアプランの作成 → 地域支援事業 ・要支援1〜2 → 地域包括支援センター → 介護予防ケアプランの作成 → サービス提供事業者と契約 → 介護予防サービス ・要介護1〜5 居宅サービスを利用の場合(※8)→ 居宅介護支援事業者 → 介護サービスケアプランの作成 → サービス提供事業者と契約 → 介護サービス ・要介護1〜5 施設サービスを利用の場合(※9)→ 介護保険施設と契約 → 介護サービスケアプランの作成 → 介護サービス
パパ夫

また、ややこしいなぁ〜。
え〜っっと、例えば俺は〜っと。

ママ子

ほんと。知らない言葉がたくさん。
"もっと詳しく"もしっかりチェックしないとね。

ケア子さん

全部ひとまとめにしてあるから、それぞれの違いが分かりにくいかしらね?
じゃあ、認定結果別に見ていきましょうか。

認定結果が非該当の場合

非該当  → 地域包括支援センター → 介護予防ケアプランの作成(※10) → 地域支援事業(※11)
ママ子

「非該当」の人でも、「地域支援事業」というサービスが利用できるということ?

ケア子さん

そう、中でも「要介護・要支援の状態になるおそれがある人」は、「特定高齢者(※14)」と判定され、予防のためのサービスが受けられるの。

パパ夫

介護保険が適用されなくても利用できるサービスがあるんだね。

ケア子さん

サービスの詳しい内容は、「介護の基本B」で説明します。

認定結果が要支援1〜2の場合

要支援1〜2 → 地域包括支援センター → 介護予防ケアプランの作成 → サービス提供事業者と契約 → 介護予防サービスを利用
パパ夫

途中までの流れは非該当の時と一緒か。

ケア子さん

そう、でも介護保険が適用されて、訪問介護などのサービスを受けられるところが、やっぱり大きな違いよね。

ママ子

やっと介護っていう雰囲気が出てきたかな。

ケア子さん

あくまでも予防のためのサービスというのが大きな特長ね。サービスの詳しい内容は、「介護の基本B」で説明します。

認定結果が要介護1〜5の場合

要介護1〜5 居宅サービスを利用の場合→ 居宅介護支援事業者(※12) → 介護サービスケアプランの作成 → サービス提供事業者と契約 → 介護サービスを利用 ・要介護1〜5 施設サービスを利用の場合→ 介護保険施設と契約 → 介護サービスケアプランの作成(※13)→ 介護サービスを利用
パパ夫

居宅サービスと施設サービスで大きく分かれるわけだ。

ケア子さん

ただ、この2つ以外にも福祉用の住宅改修費支給や、地域密着型のサービス等、実際はもっとたくさんのサービスがあるの。

ママ子

ケアプランを作成するのは共通なのね。

ケア子さん

サービスの詳しい内容は、「介護の基本B」で説明します。

ケア子さん

さて、介護サービスを受けるための条件や手続きの話はこれでおしまい。次からは、詳しいサービス内容や施設の説明をしていくわよ!

ママ子

最初は何がなんだか分からなかったけど、だんだんとスッキリしてきたわね。

パパ夫

いかに不勉強だったかってことだろうけど、全体の仕組みをもうちょっと分かりやすくしてくれてもいい気がする・・・。

POINT!

パパ夫とママ子が混乱していたように、介護の仕組みは複雑に入り組んでいて、非常に分かりにくくなっています。きちんと理解をしたいという方は、各市区町村における介護の基点となっている「地域支援包括センター」に、一度足を運んでみることをオススメします。

登場人物

パパ夫
サラリーマン。同居中の父親が階段から落ちて入院したため、急に介護に現実味を感じ始めた。45歳。
ママ子
パパ夫の嫁。義父の介護が始まったら、どうすればいいか不安に感じている。42歳。
ましばさんの奥さん
二人のご近所に住んでいる、ホームヘルパー2級の資格を持つ介護のベテランさん。58歳。